さて、パリに来て、数日間劣等生をやって、さすがに頭の中を整頓しないとよろしくないと痛感したので、スーツケースに忍ばせてきた地球の歩き方を半年ぶりに開いた。
どうやらパリには「メトロ」と「RER」の2種類の電車が存在するようだ。「電車」という言い方は仏文学者の東浦さんからすると違和感があるらしいのだが、とにかく「列車」は2種類。シャルル・ド・ゴール空港から乗車して全く動かなかったあの列車がRER。アール・イー・アールとでも読みそうなところだが、ここはフランスである。「エール・ウ・エール」と読むらしい。私には「エフ・ユー・エフ」「エク・ユー・エク」のような感じに聞こえる。そういう読み方と、RERという文字列は、初心者にはまず紐づけできない。東浦さんが流暢に「エール・ウ・エール」とおっしゃるのが筆者には「エフユーエフ」と聞こえて、「FUFって何?」という疑問が湧いて、それでも恥ずかしくて聞けなくて、それで会話についていけなかったりしたのだ。
本番会場であるワークショップ・イセには、エフユーエフでいく。メトロ、ではない。我々が滞在しているラ・デファンスには、エフユーエフとメトロが通っていて、そのうちのエフユーエフで行く。乗るためのチケットには2種類あって、Ticket+という普通の切符とNavigoというICOCAカードにフリーパス機能をつけたようなものがある。
普通の切符であるTicket+の買い方がややこしくて、券売機が少ない上に長蛇の列になるのが日常茶飯事。本当にこれでオリンピックを開催するの?と思いたくなるが、そこは筆者の心配の方がきっと的外れなのだろう。世界の人々は筆者なんかよりすっと頭が良いのだし器用なのだし勇敢なのだ。
この2種類のチケットのうち、東浦さんが一昨日用意してくださったのが、Navigoの方。月曜日から日曜日までエフユーエフ(そしてメトロも)乗り放題なのだ。一週間パスのカード。また、放射状に仕上がっているパリ中心部は、同心円が広がるような形で「ゾーン」が存在する。中心点からどれぐらいの距離にあるかでゾーン分けされている。1から5までのゾーンがあるのだが、Navigo一週間パスは、すべてのゾーンが乗り放題。わかりやすいところがいい。
しかし、「一週間パス」というものを誤解して、例えば土曜日にNavigoを買って使い始めてしまっては、翌日の日曜日いっぱいまでしか使えない。月曜日から日曜日まで使用できるカードなので、そりゃ月曜日から使い始める方が良い。我々がフランス入りしたのは金曜日。その日は遅かったのでNavigoは買えなかったにしても、翌土曜日に購入して使い始めてしまっては、日曜日がすぐにやってきて利用終了となるのだ。だから東浦さんは「月曜日からNavigoを使うように」と念を押していたわけだ。考えてみれば単純な理屈なのだが、筆者は原理を理解できていなかった。
写真①
ラ・デファンス駅にて。赤だからといって御堂筋線ではない。RER。
写真②
Navigo。提示を求められることもあるようで、このように写真を貼ることになっている。
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この記事を書いた人
西宮市で演技レッスンをしています愚禿堂“グトクドウ“の中野です。愚禿堂“グトクドウ“は、演劇を体験してみたい方向けにワークショップを開催したり、すでに俳優として活動しておられる方にはマンツーマンでのレッスンをさせていだく演劇教室です。演劇を習い事の一つとして選択していただけるように日々研究をしています。